2022年4月19日、「ゴールデンカムイ」の実写化が発表されました。
『ゴールデンカムイ』、待望の実写映画化決定!!
https://shueisha.online/entertainment/8042 案の定、ネット上では否定的な意見を見かけますが、マンガ・アニメ作品の実写化が発表される度に繰り返されるこの光景に、実写化作品を楽しみにしてる少数派の自分として思うところをまとめてみました。
なお自分を以前から知る人にとってはお馴染みかもしれませんが、小林立先生が原作の「咲-Saki-」というマンガが大好きで、本作が実写化された際は、その素晴らしさに感動して、小沼雄一監督とキャストに登壇して貰い、阿佐ヶ谷ロフトAでトークショーを開催しています。咲-Saki-の実写化をきっかけに、出演されたキャストさんや小沼雄一監督の他作品にも興味を持ち、自分の世界を広げてくれたと大変感謝しています。
映画「咲-Saki-」Blu-ray発売記念 トークショー 開催します!
https://htt123.blog.jp/archives/1066453922.html
●実写化が楽しみな理由
改めて自分のスタンスを明らかにしておきますが、自分がマンガなりアニメを観ている作品であれば、実写化は純粋に楽しみです。幾つか思い当たる理由を挙げてみました。
1.作品への注目度が上がることによる好循環
2.連載終了などでしばらく動きが無かった作品に、新たな展開がある
3.原作では描かれなかった結末が観られる(例:翔んで埼玉など)
4.監督はじめ制作陣が原作をどのように理解し咀嚼した上で、作品を完成させるのかが楽しみ
5.制限がある中で、マンガ表現をどのように実写で再現するかが楽しみ
自分は特に「4」の理由が大きいですね。要するに自分が好きな人を他者(この場合は監督はじめ制作スタッフやキャスト)がどのように解釈し、様々な制限がある中でどう表現するか、それを観たいわけです。好きな作品を語り合うのに似ているかと思っています。自分とは違う解釈があっても、それは新たな視点を提供してくれるわけで楽しいのです。
実写化ばかりがネガティブに語られがちですが、原作者以外のスタッフが製作するのですから、マンガのアニメ化でも当然、解釈違いはありますよね。こちらは発表時点で炎上することはないですが……。
「5」で挙げた、マンガならではの表現をどのように実写で表現してくれるか、それを観るのも楽しみの1つです。実写版「賭ケグルイ」での、劇中の時間を止めて、キャラクターにモノローグを語らせる演出は作品とマッチして見事でした。
一見、実写化が困難な作品であればあるほど、この場面をどう再現するんだろう、どう料理してくれんだろうと思いを巡らせ、期待しています。勿論、不味い料理を出されることもありますが。
あと自分は、例え原作からの改変があったとしても、実写作品のクオリティが高ければ受け容れられるというところが大きいというのもありますね。例え原作と細部が異なっていても、出来上がったものが1つの独立した作品として面白ければそれで良いという大らかさ。
受け取り方に個人差はあると思いますが、実写化にしろアニメ化にしろ、メディアが違うのですから、原作と同じ事を寸分違わず再現というのは難しいし、そうやって出来たものが本当に面白いのかという問題もあります。
受け取り方に個人差はあると思いますが、実写化にしろアニメ化にしろ、メディアが違うのですから、原作と同じ事を寸分違わず再現というのは難しいし、そうやって出来たものが本当に面白いのかという問題もあります。
勿論、自分も人間ですから好き嫌いはありますし、受け容れられないものはあります。作品の本質を見誤った明らかな解釈違いに出くわすと、うんざりもします。しかしそれは、ある程度中身を観てみるまではわかりません。「実写化決定!」の文字情報だけで蛇蝎のごとく忌み嫌うことは、自分には出来ません。
もう一つ付け加えておくと、出来上がった実写作品がとんでもない駄作だったとしても、元となった原作の面白さが損なわれるわけではありません。
●実写でのキャラクター表現
恐らく1番、拒絶反応が大きいのがマンガ・アニメのキャラクターを実在の人物が演じることだと思います。作品のテイストにも依りますが、個人的には咲-Saki-阿知賀編のような、実際に居てもおかしくないような雰囲気に落とし込んでくれるのが好きです。
そもそも実写化する作品は、例外はあるにせよある程度、現実世界を背景、または現実世界をモデルとしたものが多いですよね。全く人間社会を描かない作品だったら、そもそも実写化する意味はないわけですし。
そう考えると、実写作品の衣装や髪型、髪色についても、マンガ・アニメ原作のビジュアルをそのまま再現(コスプレ)するのは悪手と思っています。実際に存在する学校でロケをしているのに、アニメみたいなピンク髪の人が生徒として居たら違和感あるでしょう。
ただし、背景まで含めて作品の世界観から徹底的に作り込む場合は、コスプレ的な衣装も有りと思っています。「翔んで埼玉」では、そもそもGACKTが高校生を演じるという壮大なハッタリをかまし、とても仰々しい衣装をまとっていますが、それすらも世界観を構築するパーツとなっています。実写でのキャラクター表現は、背景も含めた全体のバランスの問題でしょう。
●エピソードの取捨選択
実写化、特に映画化される際に、原作のエピソードの取捨選択が行われます。これを改悪と捉える意見もよく見かけます。
尺の都合上、特にコミックスが数十巻にも及ぶ長期連載作品が映画化する際は、2時間程度の枠に収めるために仕方の無いことと受け止めています。大事なのは作品の本質となるべき箇所を失わないことで、原作のどこまでを描くのか、どのようなエピソードの取捨選択をするのかが気になっています。
●実写化の意義
これまた小沼雄一監督がイベントでお話してくれましたが「実写のセカイはコントロールできない」の一言に尽きると思います。絵で描くことや文章で表現するのとは異なり、どうしても細部までのコントロールが不可能な役者さんが、作り手や視聴者の想像を超えた演技を見せてくれるのを、自分は楽しみにしています。
2018.02.11[日] 実写版「咲-Saki-阿知賀編」公開記念トークショーの参加レポート。監督が語る2.6次元への挑戦
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