2018年05月

 「リズと青い鳥」の大ヒットを記念しての舞台挨拶が新宿ピカデリーとMOVIXさいたまで開催されました。

日時:2018年5月12日13:35上映終了後
会場:MOVIXさいたま シアター10
登壇者:種崎敦美、東山奈央、藤村鼓乃美、山岡ゆり、山田尚子監督
司会:小西(ポニーキャニオン) 
※以下敬称略

 今までどおり、ほぼ自分のメモ用にですが舞台挨拶の様子を纏めてみました。微妙なニュアンスの違いや意味の捉え間違い、抜け等あるかと思いますが、雰囲気だけでも味わってもらえたら幸いです。
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「リズと青い鳥」大ヒット御礼舞台挨拶レポート(新宿ピカデリー1回目)
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司会:まずは一言ずつ挨拶からお願いします。

種崎:みなさん、こんにちは。鎧塚みぞれ役の種崎敦美です。
(客席とステージが)近いですね。
今日初めて観られた方いらっしゃいますか?
(会場からチラホラと手が挙がる)
上映後ならではのお話ができたらと思います。

東山:みなさん、こんにちはー!
傘木希美役の東山奈央です。
リピーターの方から初めての方まで沢山の方に来てもらって……
(客席の初めて来た方に向けて)「今日は何で来ようと思ったんですか?」
(客席)「さいたまが近かったからです」

司会:いきなり会場に振りましたね(笑)

東山:今日はよろしくお願いします。

藤村:みなさん、こんにちは。中川夏紀役の藤村鼓乃美です。
ただでさえ客席に近いのに、(東山さん)自ら近づいて……。
新しいお客さんもいることですし、色んなお話いっぱいできたら。

山岡:みなさん、こんにちは。吉川優子役の山岡ゆりです。
私だけマイクでかくないですか?(笑)
楽しくやっていきたいです、よろしくお願いします。

山田:私もマイクでかいです。
おはようございます、こんにちは。
京都アニメーションの山田尚子です、監督です。
ちょっとの間ですが、よろしくお願いします。

司会:作品を観た時の感想や印象に残ってるシーンは何でしょうか?

山岡:この作品は二人の女子にピンスポットがあてた作品ですが、自分では学生だった当時の事を思い出せないんですが、監督はどうされたんですか?

山田:原作から?(笑)
大人になったら忘れてしまいそうな、心のほつれ、一つ一つの行動で心が動くことを考え直しました。初めての行動をとった時にどう思うのかも考え直しました。

山岡:みぞれが髪をなおす時に(手が)クロスするの好きです。

山田:私も好きです。
逆の手で触っているのには特に意味はないです。

藤村:観終わった後に、ああ青春だな、と思いました。
(みぞれや希美と)同年代だと気付かない、自分が大人になったなと思った。
今、学生の方がいらっしゃったら一瞬の輝きを大事にして下さい。

山田:学生の方って、映画観てどう思われました?

(客席の大学生から)
ああ、そういえば、こういうこともあったなと思いがした。心当たりがあったなと思った。

東山:映画では学校から出ないですが、だからこそ感じられる痛み、学生ならではですよね。

山田:限られた場所にいるからこそ感情が膨張します。
右見ても左見ても知ってる人しかいない環境って、今思えば凄いですよね。

種崎:卒業してから母校に行ったことあります?

山田:教育実習で行きました。

東山・山岡:えー、先生! (台詞が被ったのでほぼ同時に)ハッピーアイスクリーム。

山田:すごい、こういう風に使って下さい。
教育実習では美術の先生をしてました。

種崎:卒業してから学校に行くとちっちゃく狭く感じました。

山田:取材のたびに学校に行きますがちっちゃいですよね。

東山:トイレとか手洗い場とか低いですよね。

種崎:私のマイク、ちっちゃくないですか?
好きなシーンですか、梨々花ちゃんの「そうですか〜」とか、動きがかわいいです。

山田:コンテ描いてた時に勝手に動き出しました。

種崎:コンビニで売ってるゆでたまごは、何で味ついてるんですか?殻があるのに。

山田:浸透圧です、でいいんですよね?(笑)

山岡:私、さらに塩つけて食べてました。
濃い味が好きです。流行って欲しいです。

東山:梨々花ちゃんで思い出した。
種崎さんが梨々花ちゃん役の杉浦しおりちゃんとのエピソードをパンフレットで話してくれててコメントに「ずっと種崎さんと話したかったけど緊張してどうすることも出来なかったら、種崎さんから超えをかけてもらって爆発しそうなくらい胸が高まりました」って両思いぶりを見て、希美としてジェラった(笑)

種崎:リアルでしたね。キャラとキャストがシンクロしすぎですよ。
他の舞台挨拶でも話したんですが、梨々花ちゃんが「わー」って来たんで「私なんかと話しても楽しくないよ」ってリアルに言ってしまいました(笑)

山岡:1〜3年キャラと声優似ていますよね。

山田:(キャスティングには)石原(監督)さんも背負っていますんで。

司会:キャラとキャストで共通するところお持ちですよね。

山田:山岡さん、リボン付けてたことないですっけ?

山岡:イベントではいつもは付けています。

藤村:今日は?

山岡:黄色(のリボンは合わせるのが)難しい。
心の清い人には見えます(笑)

司会:これから西屋さん、Homecomingsさんとのスタッフトークもありますが、聴いてみたいことはありますか?

山田:Homecomingsさんに質問すること……、どうじゃった?どんな気持ち?か聞いてみたいです。
ステキな曲で、ずっと口ずさんでます。
本当にステキな曲を描いてくれました。
歌詞は一人だけ男性の福富(優樹)さんが書いてくれたのですが、作品とのシンクロ率が高かった。その辺の気持ちを聞こうと思います。
答えを聞きたい方は京都まで良かったらお越し下さい。

司会:山田監督はエンドクレジットソングの歌詞を作詞されていますが?

山田:出出しの「ことり」が足音と思って、希美の足音を大事に閉じ込めていたいみぞれの気持ちになって、希美の全てを真空パックするつもりで。
だんだん目線が大きくなって彼女を見守ってきた学校・空間・容器の目線になっています。

司会:ぜひ2度、3度見てその辺もチェックして下さい。
そろそろお時間になってきましたので、最後に一言ずつ。

東山:えー、まだ話したい。
(MOVIXさいたま担当者から「あと少しだけ大丈夫です」の合図)
駄々こねてみるもんですね(笑)

山岡:MOVIXさいたまさん優しい。

東山:MOVIXさいたまさん、待合室のホワイトボードにイラストがあったり凄いんですよ。

司会:またMOVIXさいたまさんで舞台挨拶があればいいですね。
では、本当に最後の挨拶をお願いします。

山岡:吉川優子役の山岡ゆりです。
また舞台挨拶に来られるためにも、拡散が必要です。
宣伝よろしくお願いします。
ハッピーアイスクリームも日常で使って下さい。
みなさんのSNS力はこんなものじゃないはずです(笑)
今日はありがとうございました。

藤村:ハッピーアイスクリームを自ら出していく(笑)
ハッピーアイスクリームは、前何話してたかを忘れるくらいなので、ぜひ流行らせて下さい。
よければ何回もリズと青い鳥を見て下さい。
今日はありがとうございました。

東山:傘木希美役の東山奈央です。
エンドクレジットソングの最後に学校目線になるところや、OPのBGMは物音ミュージカルとして使われて二人を取り囲む環境が見守っているという目線になっているなど、色んな目線で観ることができます。
劇場で公開されているうちに、ぜひまた観てください。

種崎:今日はありがとうございます。
今日話した通り、キャラとキャストが本当にシンクロしてまして、私は学生の時にみぞれにとっての希美と同じくらい大切な子が居て、その子にこの映画の感想を聞くのが怖かったんですが、普通の感想で「あー、そういう子だった」と思いました。ただ「1番最初に会って話したい」とメールに書いてあって、遠くにいるからなかなか会えないのですが……。
なので、本当に色んな大事な人と観たり、一人で観たりでもいいけど、誰かと話しても色んな感想が生まれてくる話かなと……、ごめんなさい、話がまとまらない……、沢山観て下さい。
舞台挨拶史上メチャクチャです。

東山:大学になってみぞれの演奏を聴いた希美がそんな感想いいそう。エモかった。

山田:今日はお越しいただきありがとうございます。
本当に会って話をしたいと思った凄さ、そういう思いを感じる映画でありたいと思います。
言葉を描く、コミュニケーションを描く、会って話したいという思いが伝わる、心をじんわり温めて頂いて、(今の種崎さんの話が)刺さってしまって……、そういう作品でありたいです。
これからもよろしくお願いします。
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 「リズと青い鳥」の大ヒットを記念しての舞台挨拶が新宿ピカデリーとMOVIXさいたまで開催されました。

日時:2018年5月12日10:30上映終了後
会場:新宿ピカデリー シアター1
登壇者:種崎敦美、東山奈央、藤村鼓乃美、山岡ゆり、山田尚子監督
司会:小西(ポニーキャニオン) 
※以下敬称略
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 今までどおり、ほぼ自分のメモ用にですが舞台挨拶の様子を纏めてみました。微妙なニュアンスの違いや意味の捉え間違い、抜け等あるかと思いますが、雰囲気だけでも味わってもらえたら幸いです。

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「リズと青い鳥」完成披露先行上映会 舞台挨拶レポート
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司会:まずは挨拶を一言ずつお願いします。

種崎:みなさん、こんにちは。鎧塚みぞれ役の種崎敦美です。ここに来ると初日の舞台挨拶を思い出します。
舞台挨拶史上最大の人数だと思いますが、時間なくなるまでよろしくお願いします。

東山:みなさん、こんにちは。傘木希美役の東山奈央です。初日以来のピカデリーですが今回もみなさん、上映後の舞台挨拶ということで色々お話しできたらと思います。よろしくお願いします。

藤村:みなさん、こんにちは。「リズと青い鳥」では初めての舞台挨拶で楽しみです。
あ、中川夏紀役の藤村鼓乃美です。

山岡:みなさん、こんにちは。吉川優子役の山岡ゆりです。上映後ですが、みなさん元気ですね。
和やかにお話ししていけたらと思います。

山田:みなさん、おはようございます。
昨日もここで牛尾さんとお話ししてました。
あ、京都アニメーションの山田尚子です。監督やっています。
昨日と違って華やかな感じですが、よろしくお願いします。

山岡:昨日はどんなお話しされたんですか?

山田:のぞみぞゲームの話しとかしてました。
(「のぞ」「みぞ」「ナハ」とゲームの説明をする)

東山:公式TwitterからRTされたインタビュー記事にあった、最後のシーンで希美の99と101のテンポの話を読んだのですが、電車の中で鳥肌立ちました。

山田:牛尾さんの話が難しくて、途中で聴くのを止めました(笑)
作品はできちゃったし……。

司会:公開4週目を迎えての反響や感想は如何でしょうか。

東山:GWに家族で観に行ってきました。
父母は初めて観るんですが、父はみぞれ視点で、母は希美視点でお互い初見なのに視点が違ってて楽しかったです。
司会:割と回数観られてますよね。

東山:劇場では3回観ています。

種崎:私も劇場では3回……。

司会:種崎さんの目標は20回でしたよね?(笑)

種崎:白箱あわせたら14、15回なので目標には達していないですが近い所には……。
友人にチケット渡して観て貰った感想が「駄目な芝居してたら怒るよ」って言われてたんですが「良かったよ、人間が、みぞれがそこに居たよ」って言われました。あと「この子は一人になっちゃう子だってのが分かった」って言われて嬉しかったです。

山田:占い師みたいなお友達ですね(笑)

司会:監督は如何でしょうか。

山田:3週間たってますが、熱が熱くいるのを感じています。
どんどん広がれ「リズの輪」って感じで、観てくださってる方の熱もわかりますし、社内でも西屋さんとニヤニヤしながら良い評判だねって話してます。

司会:監督は舞台挨拶皆勤賞ですね。

山田:はい、そうですね。
ところでみなさん、ハッピーアイスクリーム広めてくださってる感じですかね。
みなさん宣伝隊長となってまずは5人、そして更に5人とどんどん広めていってくれたら。

山岡:それねずみ講じゃ(笑)

司会:山岡さんは?

山岡:純粋すぎますよね。
(台本やアフレコではない)音と色がついた状態だと、知覚過敏になって、すごい周りの環境音が気になるようになりました。あれは何ですか?

山田:「リズと青い鳥症候群」という病名です(笑)

山岡:人が何を考えているのが気になりましたし、観る人によっても感想が違う、こんな重大な映画に出ちゃったんだなと思いました。
優子の成長を見守りつつも、希美とみぞれの二人が実写のドラマのような空気感を感じました。

司会:優子は成長した感ありましたよね。

山岡:リボンもちっちゃい感じで、アニメは誇張しがちですが、より現実っぽくなるようなお芝居を心がけました。

山田:3年になった優子は人の話をちゃんと聞く、部長の目標として、そこを尊重したいなと思いました。

藤村:部長になることに専念しすぎて、パンクしてしまうんじゃないかなと思いました。

山岡:夏紀と優子の二人はいい関係ですよね。喧嘩するほど……。

藤村:ああやって言い合える関係良いですよね。(山岡さんに向かって)ありがとう。

山岡:(藤村さんに向かって)ありがとう。

司会:藤村さん、夏紀とみぞれの関係とかどうですか?

藤村:初めてみぞれとちゃんと関わることが出来て良かった。
体育のシーンの夏紀(みぞれの代わりにバスケするところ)とかカッコイイですよね。
乙女ゲームでみんながみぞれを攻略しようとしている感じですが、夏紀が超カッコ良かった。

映画だなって作品と言える、小さい映画館とかで長い間上映されて欲しい。
ステキな作品に出られてありがとうございます。

司会:自分のキャラ、または違うキャラですが共感するシーンや考えさせられるシーンがあれば教えてください。

山岡:最後の、みぞれの演奏を聴いて希美が吹けなくなるシーンでは泣いちゃいました。

山田:洗足の方にも、このようになりますってお話ししたんですが、フルートの方が、目の前に超えられない壁(みぞれ)が現れた時に吹けないけど吹く希美になって吹いてくれました。

オーボエとフルートは別室で同時に録ったんですが、色んな息が抜けてく音がたまらない。

芸能人の話しになりますが、引退される安室奈美恵さんの紅白のシーン思い出しました、あ、言わなくて良かったですね、忘れてください(笑)

東山:自分のキャラというよりは「リズと青い鳥 第3楽章」のメロディを沢山聴いたので、パンフレット読んだ時に第四楽章まであることを知りサントラ発売されたので「リズと青い鳥 第四楽章 遠き空へ」を聴いたら、青い鳥が飛び立った後の音楽ですが、この後にはこんな話があったのかと改めて思いました。

山田:飛び立った後からの音楽ですが、その後のお話になっています。
きっと久美子2年生編で意味があるかもしれない、と(監督でもないのに)勝手な事を言っていますが、とんでもないお土産をしていきます。
第四楽章いいですよね、勇気が出ます。

司会:時間も迫ってきましたので最後の挨拶をお願いします。

東山:私挨拶いいので、もっと話したいです(笑)

山岡:朝からありがとうございました。
皆さんによって感想が違うと思いますんで、みんなで観てどういう感想をもったかディベートして貰えたら。
これからも「リズと青い鳥」を楽しんで下さい。

藤村:私も何回か劇場で観ていますが、フルートが震えているところをみると……。
みなさん、もっと深めてもらったら。これからもよろしくお願いします。

東山:映画観終わった後も色んな感想話して楽しめます。
劇場で映画やってるのは僅かな期間なので、ぜひその間に観賞して「リズと青い鳥症候群」も楽しんで貰えたら。

種崎:映画観て感想貰った友人は、普段アニメ観ない、ユーフォも知らない人なんですが、どんな人が観ても何か伝わる作品だと思います。
「リズと青い鳥」を伝えて貰えたら。
これからもよろしくお願いします。ありがとうございました。

山田:公開から時間経つのに、こんなに沢山の人に集まってもらい胸がつまります。
すごくみんなで心を込めてつくった、一つ一つの心の機微を大切にした作品です。
観てくださった方が、末永く深く愛してくれるとうれしいです。ありがとうございました。
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 「リズと青い鳥」の大ヒットを記念して山田尚子監督と音楽を担当した牛尾憲輔さんとのスタッフトーク付上映会が新宿ピカデリーで開催されました。

日時:2018年5月11日18:00上映終了後
会場:新宿ピカデリー シアター3
登壇者:山田尚子(監督)、牛尾憲輔(音楽)
司会:斎藤(音楽プロデューサー) 
※以下敬称略
liz_20180511_1
 今までどおり、ほぼ自分のメモ用にですが舞台挨拶の様子を纏めてみました。微妙なニュアンスの違いや意味の捉え間違い、抜け等あるかと思いますが、雰囲気だけでも味わってもらえたら幸いです。
(牛尾さんのお話しは難しくて、色々と抜けがあると思います……)

関連記事:
幼少時の将也のイメージ「ハンバーグ」は牛尾さんが元ネタ!?映画「聲の形」スタッフトーク付上映会レポート(登壇者:山田尚子、牛尾憲輔)
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牛尾憲輔さんが語る「聲の形 inner silence」ができるまで
http://htt123.blog.jp/archives/1066648988.html
牛尾憲輔「聲の形 inner silence」劇伴ライブレポート

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司会:「リズと青い鳥」音楽プロデューサーの斎藤です。
おしゃべりな二人をみんなで呼び込みたいと思います。
「せーの 山田さん」「せーの 牛尾さん」でいきたいと思います。

「せーの 山田さん」
(山田監督登場)

山田さんも一緒に牛尾さんの呼び込みやって下さい。
「せーの 牛尾さん」
(牛尾さん登場)

ではまず、お二人の挨拶からお願い致します。

山田:こんにちは、(夜なので言い直して)こんばんは。
京都アニメーションの山田です、「リズと青い鳥」の監督をやっています。
ちょっとの時間ですがよろしくお願い致します。

牛尾:ソニー・ミュージックアーティスツ所属の牛尾です。
「リズの青い鳥」の音楽を担当しています。今日はよろしくお願い致します。

司会:今回、音楽をつくるにあたって、どんな話し合ったのはどんなことでしょうか?

牛尾:音楽つくる前に二人でよく分からない打ち合わせをします。

山田:フュージョンって感じですよね。
(フュージョンのポーズをとって)ウシヤマダナオスケと(「クールボコ」と言いかけてやめる)
牛尾:京アニでは概念打ち合わせと呼ばれているらしいです。
希美とみぞれの二人の秘密を覗き込むようなことをするわけですから、音もそれに合った二人の世界を邪魔しないようなものにしました。

あとでお見せしますが、デカルコマニーという、インクを譜面に垂らしたものを使っています。

デカルコマニー - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/デカルコマニー
山田:困った話しをするので、同席するスタッフがメモをとるのを止めてしまいます。

司会:特にこだわったところはどこでしょうか。

牛尾:(二人の繊細な場面を映画を観賞している)皆さんに観られているのがバレたらいけないので、ってお金払っているのに観るなというもの凄いですが(笑)、舞台になった学校に実際に行ってロッカーを開ける音やビーカーをひっかく音とか色々な音を録りました。

録音してる時に山田さんもロケハンで居たのですが、メトロノームが「チーン」って鳴った瞬間にツボに入ったようで、小さな音を録っているのに五月蝿かった(笑)。

山田:繊細な録音なのでしゃべらないように気をつけていたのですが「チーン」って鳴った瞬間にゲラゲラと笑ってしまいました。すぐに追い出されました(笑)。

牛尾:OP、EDの動作にも色々な音が音楽に入っています。

山田:映画の最初と最後に足音が入っていますが、あのシーンが大変でした。

牛尾:やりとりが大変でした。
最初にテンポをとって、それを元に絵コンテをつくってコンテ撮して、さらにそれを元にテンポを割り出して音楽をつくっていき、音をアニメにしていきました。

京アニのスタジオで音をつくっているような感じで、僕がアニメをつくって山田さんが音楽をつくっているような感じでした。

山田:希美とみぞれの足音も、それぞれ速さが違っていて、(OPでは)みぞれがBPM60で希美がBPM110です。

牛尾:EDの足音も4歩だけ合うんですよね。
EDでは、みぞれがBMP100、希美がBMP99〜101の変移の中で4歩だけ奇跡的に合った、感動的。まさにハッピーアイスクリーム(笑)

山田:ハッピーアイスクリーム、みなさん使ってくれてます?(笑)

牛尾:使ってる訳ないでしょ、お客さんおじさんだよ(笑)

(スクリーンに譜面を映して説明)
参考:リズと青い鳥☆パピコ
http://www.kyotoanimation.co.jp/staff/anibaka/blog/?p=2361

これがデカルコマニーで書かれた譜面ですが、インクを紙に垂らして2つに折ってくっつけると、みぞれと希美が(上の五線譜と下の五線譜で)相似形であるという。上が5小節、下が4小節でインクもそれぞれ似ているけどズレているんですよね。

インクの範囲が大きすぎて譜面として取れないものは、周波数の遷移として音と捉えたり、ノイズを入れる間隔として使ったりしています。
頭よさそう(笑)

山田:みなさん理解できました?
(会場からごくわずか手が挙がる)

牛尾:(譜面を指しながら)この中でタイミングとして来ているところに、学校で録ってきた音をノイズとして入れたり、プリペアド・ピアノと言って、ピアノの線に物を落としたりした時の音を(インクの)色や時間で割り振っています。

プリペアド・ピアノ - Wikipedia

希美が廊下を歩くシーンでは、ビーカーを引っ掻いた音を入れて、さらにアーメン終止というものをしています。

アーメン終止
https://ja.wikipedia.org/wiki/アーメン終止

山田:「聲の形」のときも、祝福したい人に終始していますよね。

牛尾:そういうの好きでしょう?(笑)

山田:はい(笑)

(みぞれがプールに他の子も誘っていいか希美に聞くシーンの映像を流す)

山田:すっごいマニアックなんですけど分かる人います?
ここで希美の前を人が通るシーンですが、ここは希美の心が揺れ動くシーンなのでとても重要でして。

牛尾:ここは元々の曲があって、それをスタジオで流しながら実際に人がその前を通って、それを録って使っています。
すっごい些細で微妙なことも、希美をフィルタするためにしています。

山田:人型の音のゆらぎで音が揺れる。サントラでもわかりますかね?

(会場で両方の曲を流す)

牛尾:(聴き比べて)意味があったのかな。

山田:オカルト的ですよね(笑)

牛尾:唯一本人がアニメーションとして登場しています。

山田:これ言っていいんですっけね。
(録音時は)牛尾さんが通っています。
人が通るだけだと分かりにくいかなと思って、毛布を持った状態でも通ってもらい2回録りましたが、人が通っただけの方が良かった。

牛尾:サントラのハイレゾ版の準備もあります(笑)

山田:えー、しらなかった(笑)

司会:今回、ハイレゾでこだわったのは?

牛尾:もともとコンピューターでつくった音を、アナログを通してひずませています。それをハイレゾで録りきりました。廊下の響きや残響(などのアナログな音)を録るために、音の切れ切れがハイレゾで繊細に録られています。

DSDというCDでは収録できない大きなサイズの変なフォーマットで聴くと、音の静寂に希美とみぞれが見えるようで綺麗です。

メイキングVol.8で、「希美みぞれ希美みぞれ……」って言ってるところで最後に「ナハナハ」って言ってたんですが編集で「ナハ」だけ残っています。
山田:なんで言ったんですか(笑)

牛尾:ここ最近、色んな取材受けてほぐれてきて躁状態になっていますね。

司会:Homecomingsの福富(優樹)さんもかわいがっているとか……。

牛尾:ウチに来た時に賞味期限が切れたクリームパンをあげました(笑)
出る杭は打つタイプですが、最終的には(自分が)Homecomingsに入っているかもしれません。
というか入りのBGM、何でHomecomingsなんだよ(笑)

試写の時にHomecomingsのボーカルの畳野さんにホーム・アローンズといったら全く通じなかった。

山田:小野豊さんもポカーンとしてましたよ。

牛尾:田中角栄みたいなコンピュータ付きアニメータ……。

山田:世代的に分からなくて、みんなポカーンとしてました。

牛尾:「girls,dance,staircase」の歌詞良かったよ。「ことり」からはじまっていて全体が「のぞみぞれ」でダブルミーニングですばらしい。

山田:ありがとう。
コンテ読んでいたら三拍子の音が聞こえてくる。「アーメン」
コンテきる時に無意識で三拍子にしてました。三拍子が伝わったのが嬉しかった。

司会:最後に締めの挨拶をお願い致します。

牛尾:本日はお越し頂き本当にありがとうございます。
最初のコンセプトから始まって、こんなに美しい映画になりました。
こんな繊細な物語の中にもさらに色々な物語があります。

山田:映画公開から時間経つのに、こんなにも沢山の方にお越し頂きありがとうございます。
今日は皆さん、牛尾さんのいいお話しを聴きに来られたんですよね?

牛尾:いや(インターネットで検索する際)「山田尚子」で「かわいい」ってサジェストが出るから、そういう人も居るかもしれない。

山田:勘弁してください(笑)
いつも舞台挨拶の時に、私では音楽のことは言葉足らずなので、ぜひ牛尾さんに語ってもらいたかったです。
何を言ってるか分かりました?
メモを取ってる方も、分からないと思いますよ(笑)
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 4月16日は新道寺女子麻雀部の部長、白水哩さんのお誕生日でした。
まいるたんイェイ〜!

 お誕生日当日は、blog記事2本書いてお祝いしたんですが、肝心のお誕生日会は4月16日ではなくマンガサロン『トリガー』さんでの咲-Saki-会合わせでお祝いしました。

「哩たんイェイ~」ということで白水哩さんの公式グッズを整理してみた〜2018年版(実写編)〜
実写版「咲-Saki-阿知賀編」で白水哩を演じた高田里穂さんに興味を持った人に向けてのまとめ記事
http://htt123.blog.jp/archives/1070869317.html

 すっかりレポートが遅くなってしまいましたが……、当日の様子や咲-Saki-本編の感想などを。

 お誕生日会ですが、昨年のお誕生日会参加者で作詞した「まいるたんイェイ〜!」の歌をみんなで歌ってお祝いしました。
 この歌、汎用性高いのでみんなそれぞれお気に入りのキャラの歌詞を準備すれば良いと思う。

 メインとなるお誕生日ケーキは、魔夜峰央先生のお誕生日ケーキや昨年の怜たんのお誕生日ケーキでお世話になった、パティスリープウポンさんにお願いしました。
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 自分が好きな凛々しい哩さんの表情をチョイス。クオリティが高くてほんと凄い……。「鎖は入れて下さい」とリクエストしましたw
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 今回はあまりグッズ持ち込まなかったのですが、お気に入りの実写版ブロマイドと一緒に並べてみたり。
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 折角なんで、ローソクに火も灯してみました。雰囲気が出てケーキの絵の素晴らしさが一段と引き立つ。

 閑話休題 今年はお誕生日当日は平日なのでお集まり頂くのがなかなか難しそうだなと、咲-Saki-会に合わせて設定したのですが、咲-Saki-189局[紹継]がえらいことになってしまったので、その感想でも……。

 ここ最近、哩さんが理想的なイケメン美人さんでステキだった咲-Saki-阿知賀編の実写版映画の上映終了、年に1回くらいは新道寺も取り上げてくれた咲日和の連載終了と、新道寺クラスタにはだんだんと外堀を埋められていってるような閉塞感を感じておりましたが、ここにきて本編の5決終了という、いずれ来ることは分かってはいたのですが、何もここ2ヶ月くらいで全ての事象が重ならなくてもというような出来事にとてつもない喪失感を感じました。ほんと胸の中がポッカリと空いてしまったようです。

 5決が終了ということは、新道寺クラスタにとっては寂しいことなのですが、最後の終わり方がとてもすばらっで、特に最後の哩さんの台詞が白眉ですね。あえて方言ではなく標準語で改まって姫子に問いかけているのが、後輩でパートナーだけど、選手としても認めているように感じられてすばらっです。(こんなすばらっな台詞なのに、最近ムダヅモ読んでる影響からか自分は初見で「同じチームで打(ぶ)ちましょう」と読んでしまいましたが……)

 そして最後の1コマで自分の観たかった咲-Saki-新道寺編がキレイに完結してしまい、その美しい終わり方には満足というか感無量といった気持ちですけど、やはり楽しみだった漫画の連載が終わるという喪失感を抱えています。もちろん咲-Saki-本編はまだまだ続くし楽しみではあるのですが、これからどうモチベーションを保っていくか、どう向き合っていくか、なかなか悩んでいます。
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