4月末より自分の生活を狂わせている「たまこラブストーリー」ですが、公開から1ヶ月経ったこのタイミングで「スタッフ舞台挨拶 決定!」のニュースが飛び込んできました。

「たまこラブストーリー」スタッフ舞台挨拶 決定!

 セカイにとっては念願の「たまこラブストーリー」の舞台挨拶への初参加、そして山田尚子監督の話が生で聴けると本当に楽しみでした。簡単なメモを取っておいたので、折角だからその様子を軽くレポートしてみたいと思います。

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 5月30日(金)、新宿ピカデリーでの19:50からのたまこラブストーリーの上映終了後、21:20過ぎに今回の登壇者である山田尚子(監督)、小川太一(演出)、瀬波里梨(プロデューサー)の3名が登場してトークショーが開始。マスコミも複数入ってました。

 司会者が暑いと言いながらおもむろに上着を脱いで京都出町桝形商店街のセルフ岸本屋さん限定のTシャツを披露、会場が沸きます。

司会者:このTシャツ持ってる人?
会場から複数の挙手、当然自分も手を挙げましたよ。
京都限定にも拘わらず思わぬ所有率に山田監督から「京都遠いよ」(たまこの「東京遠いよ」風に)と声が上がりました。
ここの山田監督、とても可愛かったw

●トークイベント突入

司会者:出来上がった作品を見てどう思いましたか?
山田監督:たまこ、もち蔵、みどり、かんな、あんこらが少しずつ成長し一歩ずつ踏み出してく様をちゃんと描けた、ちゃんとしたフイルムを創ることができた。

司会者:映画の中で感動したシーンはどこですか?

山田監督:川でもち蔵が告白するシーンが好き、段々と日が暮れて色が変わってく様と飛び石の引きのシーンがキレイと思った。狙い通りに上手くいってて撮影監督の匠の技を感じました。撮影監督が酔わない程度の微妙な手ブレになるようキレイに補正してくれた。

小川:創った側なので客観的に観られなかったが徐々に達成感が出てきました。
山田監督:小川さんは実際に劇場に観に行かれましたか?
伊丹空港近くの映画館で上映が始まったので、たまこと飛行機が一緒に観られるよ(笑)。

瀬波:完成までの段階で沢山観ているので最初は小川さんと同じく客観的に観られなかった。製作段階では面白いと感じるところから?と感じるところまであった。
劇場でも2回ほど観ているが、観るたびに視点が変わり、毎回見どころがある。
山田監督:瀬波さんは記憶消して観に行きたいって言ってたよね(笑)。

●何回映画を観に行ってますか?

司会者からお客さんに向かって、何回映画を観に行ってますか?の恒例の質問が。
10回、15回、20回、30回と尋ね、セカイが客席を見た限りでは20回以上で十数人程度、30回以上は流石に居ませんでした。
ちなみにセカイは今回で12回、もっと観に行きたい。

山田監督:(そんなに観に行って)お仕事とか大丈夫なんですか?(笑)

●来場者プレゼント第4弾について

「たまこラブストーリー」大ヒット御礼 入場者プレゼント 配布決定!

瀬波:おかげ様で当初、予定していなかった入場者プレゼント第4弾を実施することが出来ました。
山田:いきなり瀬波さんから電話がかかってきて第4弾プレゼントのネタを出しなって(笑)
瀬波:実は今回のプレゼントとなった山田監督の初期イメージラフは全部で3種類あるんですが、その内の一つは既にフライヤーに使用されていまして、裏面のたまこがバトンを放り投げているイラストがそれです。
2種類用意したのは、折角のイラストを1枚のカードにまとめてしまうと絵が小さくなって勿体無いので、ぜひこのサイズでお客さんに観て貰いたいと思いました。

●続編で何故ラブストーリーを描いたか?

瀬波:TVシリーズをやっていた時から、山田監督とたまこをもっと掘り下げたい、どうすれば良いかと考えた際に映画しかないという結論になった。
山田監督の描きたいことはしっかりしていたので、良い青春映画になると思った。映画以外の他の選択肢は無かった。
山田監督:たまこをどう掘り下げるかを考えた際に、誰との関係を描くのが良いか色々考えた。結局、たまこが恋愛していく様を描くことになったのでもち蔵との関係を描いた。恋愛を描く際に豆大ともち蔵ははずせなかった。
瀬波:山田監督がぜひやりたいと思っていたものの一つはお母さんとたまこの関係。

小川:ラブストーリーと聞いて(自分がそれを演出することに)身構え不安になったが何とか受け止められた。
ストレートに行って良いのか悩んだが、直球で行って良かった。

●制作での苦労

司会者:制作で大変だったのは何ですか?
山田:たまこをどう扱うか、最初はたまこのシーンの絵コンテが描き出せず、もち蔵の絵コンテばかり切ってた。
たまこがもち蔵に告白されて、商店街に走ってくシーン辺りからようやく私も走れた。
もち蔵の絵コンテはよく上がった、本作はたまこともち蔵のシーンがミルフィーユの様に交互に織りなす構成になっているが、最初はもち蔵の絵コンテばかりが上がっていた。

小川:制作にあたってはそんなに打ち合わせはしていない。「皆まで言うな、感じろ」という雰囲気だった。
山田監督:小川さんもキャラクターデザインの堀口悠紀子さんも「視える」タイプ。言わなくても感じてくれる。

小川:山田監督は原画の良さを引き出すのが上手い。

山田監督:小川さんの演出は安心感がある、瀬波さんの差金ですか?(笑)

小川:最初は「えっ、演出ボクでいいんですか?」と思った。

●最後の一言

瀬波:山田監督が山ごもりの修業に出て滝に打たれてからの仕事っぷりが凄かった。あの期間は監督にとって必要なものだった。
山田:山中ではトカゲが鳴いてて怖かった、トカゲの鳴き声とか聞いたことありますか?(笑)

瀬波:(山田監督から常盤みどりの話を振られ)私はみどりが凄く好きで、一晩呑みながら語り明かしたいくらいなので、この最後の挨拶では語りきれない。
当初は予定に無かった、今回の舞台挨拶・第4弾入場者プレゼントができることに感謝しています。

小川:裏方の人間なのに、京都以来2回目の舞台挨拶に立つことが出来た。すべてお客さんのおかげです。
山田:泣いちゃうんですか?(笑)

山田:たまこラブストーリーの舞台挨拶の度に出てきてすみません(笑)
公開直後は、期待と不安があったけど、予定には無かった今回の舞台挨拶をさせてもらって嬉しい。たまこの勇気が届いた。
今後もお客さんの大事な(映画の)一本として皆様に愛されたら嬉しいです。