公開を心待ちにしていた山田尚子監督の最新作「リズと青い鳥」ですが、公開初日に各所で舞台挨拶が行われました。

日時:2018年4月21日18:00上映前
会場:横浜ブルク13 シアター4
登壇者:種崎敦美、東山奈央、山田尚子監督、松澤千晶(司会) 
※以下敬称略
blg20180421
 すっかりタイミングを逸してしまいましたが、今までどおりほぼ自分のメモ用にですが舞台挨拶の様子を纏めてみました。微妙なニュアンスの違いや意味の捉え間違い、抜け等あるかと思いますが、雰囲気だけでも味わってもらえたら幸いです。

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司会:公開初日ということで率直な気持ちをお願いします。

種崎:みなさん、こんにちは。鎧塚みぞれ役の種崎敦美です。
初日最後の舞台挨拶になります。
今日の服のモチーフが「鳥と雲」らしいです。
店員さんに「鳥と雲」と言われて迷わず買いました。

東山:みなさん、こんにちは。傘木希美役の東山奈央です。
今日最後の舞台挨拶です。
今日は希美と同じポニテにしていました。
この動きに注目してください。(後ろを向いてポニテを揺らす)
種崎:観る前のみなさん、この動きを覚えておいて下さい。

東山:今日一日、駆け抜けてきました。
(服は)種さんとお揃いっぽく青にしてきました。
よろしくお願いします。

山田:こんにちは、京都アニメーションの山田です。
ファッションの「青にしようね」会話に入れてなかったです(笑)。
私がいないLINEグループつくってキャッキャしてます?(笑)

東山:監督も手に鳥いますね(鳥を持ってた)。

山田:青い服に赤入ってます。
二人のLINEをハックしました(笑)。

司会:最後なんでテンションハイになっていますが……。

東山:もう一度(「リズと青い鳥」を)観たいです。
良い音響で観たいです。
舞台挨拶ツアー中に観に行きたいなと思います。

司会:上映前ということで直接的(な表現)は無理でもざっくばらんに……、控室での話ですが、みなさんが深読みして山田さんに色々と聴いてました。

山田:今回、みぞれ、希美という2つのお花を愛でて撮った。
そのまま、自然体でいて欲しいなと思って撮った。
示唆的なものやつくり手のメッセージを込めていないと思っていたんですが、女の子の世界を撮ることに夢中でした。
(控室で)質問を受けて「じゃあ、それで」て感じでした(笑)。

東山:水槽のフグのシーンとフルートパートの「フグ」って言われた娘で「フグ」が被っているけど「フグ」に意味があるの?とか質問してました。

山田:「フグ」には意味がなく気持ちの描写をスケッチしている感じです。  
「つくっているもの」と思われたらアウトかなと思ってました。

司会:意図的なアフレコシーンとかあります?

東山:希美の方があるあも。
TVシリーズと違って解像度を上げて二人の気持ちをクローズアップしました。
(希美の)「陽」以外の「陰」にも焦点をあて、そこに込めたところがあるかなと思います。

種崎:みぞれはTVシリーズだとそんなに会話するシーン描かれなかったので、こんな風に希美と会話するんだなと思いました。

山田:今回はみぞれ渾身のギャグシーンもありますしね。
気づかれないまま過ぎてしまいますが……。

種崎:ト書きにも書かれてましたしね(笑)

山田:アフレコ時にも音響監督の鶴岡さんに「みぞれは今、ギャグ言ってるんですよ」って言ったら「だろうな」て(笑)

種崎:収録スムーズだったんで、裏でそんな話してたとは。
本田さんが「いいよ いいよ」って言われるから却って不安になるって気持ちが分かりました(笑)

司会:その時、(役者さんから)出てきたもので表現したかったということでしょうか?

山田:コントロールを如何にしてないものにするかを大切にしたかったです。

司会:他のキャラはどうでしたか?

東山:1本の映画として洗練されているので、初めてユーフォに触れる方にとっては、この娘が主人公だった作品があるっていうくらい風景の一部となっていますね。

司会:視点によってこんなにも違うんだと思いました。

種崎:ユーフォ知らなくても楽しめます。希美、みぞれにフィーチャーしたらこの映画になりました。
この映画として楽しんでもらえたらと思います。

司会:主題歌について、監督はHomecomingsさんに青春を感じたと言っておられましたが?

山田:Homecomingsさん、凄く素敵なバンドでまさかご一緒できるとは思えず、ダメ元で声をかけました。青いものを感じました。
お会いして話すと、そういったことを大事にして、曲をつくる際にも「カメラの置き方が……」とか気にされてて共鳴しました。

(Homecomingsさんの)好きな曲を一つ挙げたら、全く違う、でも好きな曲をつくってくださって凄いなと思いました。

司会:牛尾さんも京都に来られたということですが……。

山田:希美とみぞれの音を捉えたいということで、京都のモデルになった学校まで行きました。

司会:音がついた作品を観てどう思いましたか?

東山:音楽に力入れてるシリーズだが、この映画のためだけにつくられている音楽もあり、映像と音楽がマッチしてる感じがしました。

司会:それこそ足音一つだったり。

種崎:アフレコ前に注目ポイントである足音入ってて、チェックして集中しなきゃいけないんですが心奪われてしまって……。
全部合わさったらミュージカルぽくなってて、想像以上になってて凄かったです。

司会:最後に一言、メッセージをお願いします。

東山:みなさん、初日にお越し頂きありがとうございます。
受け取る方にとって色んな見方があり、初めはみぞれに共感して読み込んでいくのも楽しかったり、青春は遠い昔だった方も、子どもにとっても、違う見方もするし、皆様の感想が楽しみです。
スクリーンで観られるのも今だけですし、楽しんで下さい。

種崎:初日お越し頂きありがとうございます。
観た後の舞台挨拶であれっと思うくらい「二人と同じ気持ち経験あるな」というものが詰まっているので感じ取って貰えたら嬉しいです。
しゃべってお伝えするのが苦手なんですが、監督が言葉にできないことを作品にしたので、私はそれをお芝居にして伝えられたら。

ポップコーンを(映画始まる前に)食べ終わっておけば良かったという感想ありました(笑)

山田:初日お越し頂きありがとうございます。
ポップコーンの咀嚼音をリズムっぽくしていくという楽しみ方もあるかもしれない……楽しそう(笑)
楽しんで下さい。
映画館で観ることに意義のある映画なんで楽しんで下さい。