公開を心待ちにしていた山田尚子監督の最新作「リズと青い鳥」ですが、公開初日に各所で舞台挨拶が行われました。

日時:2018年4月21日13:45上映後
会場:川崎チネチッタ チネ8
登壇者:種崎敦美、東山奈央、山田尚子監督、松澤千晶(司会) 
※以下敬称略
citta20180421
 すっかりタイミングを逸してしまいましたが、今までどおりほぼ自分のメモ用にですが舞台挨拶の様子を纏めてみました。微妙なニュアンスの違いや意味の捉え間違い、抜け等あるかと思いますが、雰囲気だけでも味わってもらえたら幸いです。

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司会:公開初日を迎えましたが率直な感想と挨拶をお願いします。

種崎:みなさん、こんにちは。鎧塚みぞれ役の種崎敦美です。
初日に劇場に観に来てくださってありがとうございます。
公開初日ということで、ふるさと大分でも観られるんだなと嬉しいです。

東山:こんにちは。傘木希美役の東山奈央です。
みなさん、初めてご覧になったと思います。
みなさんの熱気を感じました。
静かな中にも熱い情熱があったと思います。今日は色々と語り合いたいです。

山田:京都アニメーションの山田尚子です。
(劇場が)広くてびっくりしました。
今日はお越し頂きありがとうございます。
そして広い部屋を宛ててもらいありがとうございます。
今回は終了後でしたよね?

司会:上映後なんで色々と話せますよ。

東山:「みぞれのオーボエが好き」の箇所が個人的に何度もテイクを重ねてて、希美は笑って「ありがとう」って言うんですが、ディレクション時に「(ありがとうの意味は)Thank youではなくNo thank youのありがとう」でって言われて……。みぞれからは「希美のフルートが好き」の言葉が出てこないんですよね。

種崎:そこで察することができての「ありがとう」なんですね。

山田:みぞれは好きと言ったらチャンスとばかりに、堰を切ったように思いを伝えてましたね。

種崎:最後のシーンが別録りじゃなく一緒でしたね。

山田:みぞれが言っていることに対して希美の「それじゃない感」が出て良かった。

東山:みぞれが言う言葉に希美の台詞が被るシーン、(「リズと青い鳥」の)絵本見てても、ソロの練習したシーンも遮られて……

種崎:遮られたのも計算ですか?

東山:無意識です。
最後のシーンは意識的にしていますが……。

山田:希美はみぞれの声を聴くまでに至ってないんですよね。
実は冒頭で「リズと青い鳥」第三楽章のソロを弾くシーン、ピッチが合ってないんですよね。
希美のフルートが合ってないのですが、みぞれの演奏を聴いていない感じが物語っています。

司会:麗奈も言ってましたね。

東山:実際の中の人が……中の人なんて居ないですよ!(笑)
演奏する時のディレクションはどのようにされたのですか?

山田:ピッチずらしてとは言っていないが朝っぽくと言ったら、あんな感じになりました。
タイトル場面のBGMにもなりますし、ピッチ合っているものも準備していたんですが、(ピッチが)合ってない方がしっくりきました。

司会:演奏の描写も、久美子たちのシーンも印象的ですよね。

山田:「我々は、こんなにできるんだよ」と見せびらかすように意識しました。

種崎:みぞれが演奏聴いた後、すぐに窓閉めるの良いですよね。

山田:あの強さは、麗奈だし、見せつけようと思ってやったんだなと思います。

司会:みぞれの(オーボエの)才能は無自覚?

山田:みぞれは希美が居ればいい。自分と希美をつなぐ対象としてオーボエをしてます。
上手い下手には興味がありません。

東山:(その才能が)喉から手が出るほど欲しい希美が居て……。

司会:キャラと切り離すと感情移入できるのは誰ですか?

東山:私はみぞれに、種さんは希美に実感がわきます。
才能への嫉妬、もやもやとしたもの、あの子よりも音楽極めたいのにというモヤッとしたものをなかなか理解できませんでした。
(私自身は)凄い人を見ると手放しで凄いと思っちゃうので、希美を解きほぐすのには時間がかかりました。

種崎:希美の気持ちが分かっちゃうんで、それだけに……。
私は奈央ちゃんみたいに思えなくて、私の方が好きなのに何で?って気持ちがします。

司会:監督はどういうところに共感しますか?

山田:1番近くに居た人が欲しいモノを持ってた時に、うらやましさ、嫉妬はあります。

東山:(自分にも)もやっとした、混ざりあった感情はあるんで、そこを掴み上げて当日はアフレコに臨みました。

司会:希美はみぞれから凄く慕われていますよね。

種崎:最後のシーンで、私なんてってシーンで、そうじゃないって言っちゃいますよね、特別なものを沢山持っているのに……。

山田:(希美もみぞれも)欲しいものをお互いいっぱい持っているが、それがズレている。
音楽やフルートへの執着を希美はまだ捨てきれない。どういう道を選ぶか、まだ選択肢はある。

司会:10年後、二人は美味しくお酒飲めてるでしょうか?

種崎:10年後に、あの頃の狭い世界だからって笑ってるんじゃないかなと、大人だったら逃げるでしょうと。

司会:最後に一言ずつお願いします。

東山:(「リズと青い鳥」を語るには)短すぎる時間ですが、お越しいただきありがとうございます。
ひとまず冒頭のピッチがズレてるシーンについて聴いたので、また観たいなと思いました。
どこのシーン一つとっても意味や思いがある映画ですので、ゆっくり語り合ってもらえたらと思います。
ぜひともまた、劇場に起こし下さい。

種崎:沢山いろんなシーンの話がしたかったが、結局1シーンだけしかできなかったですし、そこもまだ、語りきれてないです。
作品全部で言ったら無限に勝たれますが、冒頭の演奏シーンを確認するためにまた観たいです。
今日はありがとうございました。

山田:皆さん、今日はお越しいただきありがとうございます。
みぞれはお酒強そうだなと思いました(笑)
頭に(事前にチネチッタさんが準備してくれた)シャンパンが焼付きつつ、しっぽりお話できるような作品になったなと思います。
映画館であることに拘った、四方八方から沢山の音を感じて頂けると、映画館で観てもらうと最大のパフォーマンスを発揮するので、沢山の映画館で観てもらえたら嬉しいです。