公開を心待ちにしていた山田尚子監督の最新作「リズと青い鳥」ですが、前作「聲の形」と同様に完成披露先行上映会が丸の内ピカデリー2で行われました。
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日時:2018年4月4日18:30上映開始前
会場:丸の内ピカデリー2
登壇者:種﨑敦美、東山奈央、本田望結、山田尚子監督、松澤千晶(司会) 
※以下敬称略
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 今までどおり、ほぼ自分のメモ用にですが舞台挨拶の様子を纏めてみました。微妙なニュアンスの違いや意味の捉え間違い、抜け等あるかと思いますが、雰囲気だけでも味わってもらえたら幸いです。
関連記事:映画「聲の形」完成披露上映会 舞台挨拶レポート
http://htt123.blog.jp/archives/1060512068.html

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司会:さて、ついに完成した「リズと青い鳥」ですが、まずは一言ずつ挨拶と本日を迎えての感想をお願いします。

種﨑:本日はお越しいただきありがとうございます。鎧塚みぞれ役の種﨑敦美です。
いよいよ「リズと青い鳥」を観ていただけると思うと、嬉しいドキドキと緊張でいっぱいです。2日前くらいから緊張してました。早く観て貰いたいです。この時間内で作品の魅力を伝えられたらと思います。

東山:傘木希美役の東山奈央です。ついにこの日が来たなという気持ちです。「リズと青い鳥」は美しくてどういう言葉でも言い表せなくて、(適切な)言葉を探してしまいますが、観てもらえたら魅力が伝わると思います。だからアニメってあるんだなと思いました。

本田:本日はお越しいただきありがとうございます。この(キャストの)皆さんに混ぜてもらえて本当に嬉しくて、皆さんと一緒に居られて幸せです。
声優ではない私の声を認めてもらえるか不安ですが、どんな感想を持たれるか気になります。

山田:ようこそいらっしゃいました。監督の山田尚子です。
今から観てもらう、世界初の公開ということで緊張して気持ち悪くなってます。
お手柔らかに楽しんで頂けたらと思います。

司会:劇中ではのぞみとみぞれの掛け合いがありますが、種﨑さん、東山さんから観ての感想はどうでしょうか?

東山:何からお話ししていけば良いか……。
静かな映画で、非常に静かな中に充実したものが詰まっていて、静謐な時間にひたっていられます。

種﨑:本当にその通りで。
言葉で伝えるのが難しいですが、キャラクターの指先、つま先から髪の毛の先までせないで、私達声優が演じる前に、すでにアニメがお芝居をしてくれていて、私達もとてもお芝居がやりやすかったです。

山田:京アニスタッフ喜びます(笑)。

種﨑:アニメなのに実写のようにと錯覚してしまう……、映画を観てるつもりが二人の女の子を観ているような。

司会:今のお二人の話を聞いて、監督はどうでしょうか?

山田:本当にその通りで(笑)
自分ものぞみとみぞれを通して観る「リズと青い鳥」をじっと観察するつもりでいたので嬉しいです。

司会:本田さんはリズと青い鳥の二役を演じられましたがどうでしたか?

本田:一人二役で嬉しさと不安がありました。声を録る前にそれぞれ違う人が話しているように聞こえるか沢山勉強したんですが、「違いが分からないくらいでいいよ」と監督に言われ、自分が最初に思っていたイメージと違って不安でしたが、映画を観て、監督のおっしゃったことは間違ってなかったことが分かりました。

山田:シーン毎に録ってたんですが「良かったよ」ばっかりで監督としての威厳がないなと帰りの電車で反省してました(笑)
リズの最後の最後のセリフが大好きです。

東山:インタビューの際に何度か観たのですが、最後はうるうる来てメイクさんに叱られるなと思いました。
私達(のぞみとみぞれ)のアニメの部分と本田さんの絵本の部分の共存が良いなと思いました。
京アニさんありがとうございます。

種﨑:私も何度か観たのですが、言葉に出しているのとは違う思いがみぞれにはあって、リズと青い鳥が代わりに言ってくれたような気がして、本田さんありがとうと思いました。

司会:皆さんの青春の思い出話はありますか?

東山:私は中学高校と合唱部に6年間いましたが人数少なくて、凄く練習頑張ったり大会出たりは無かったです。女子校だったので「リズと青い鳥」を観ていると女の子のやり取りが、何でもないことで面白がったり傷ついたりして同じだなと思いました。

種﨑:青春語りだすと止まらなくなりますが、私もみぞれと同じような経験があって、凄く好きな子が居て、その子と一緒に居たいために高校を選び、その子が居るかもしれない方向を見たりと、「リズと青い鳥」でのみぞれの行動には覚えがあります。女子はそうですよね。

司会:本田さんは、こんな青春おくってみたいとかありますか?

本田:青春って何ですか?

種﨑:青春は二度と戻れない瞬間、一瞬なの。

本田:青春って恋愛だと思っていました。
私は今、フィギュアスケートと共に生きてる気がします。スケート靴と一緒に喜んだり悲しんだり、全てが思い出になるよう頑張りたいと思います。

山田:あなたが今、青春です。
青春ばかり追いかけている作品をつくっていますが、青春って何でしょうね。
多分、青春の最中は気付かない、(本田さん)良い話しをありがとうございます。

この作品づくり自体が青さが凄くて、主題歌を歌ってくれたHomecomingsさんも凄く青春くさくて、友達の家みたいなスタジオでデモテープを聴かせてもらって、まさに青春の真っ只中といった感じでした。

大人になってしまうと素通りしてしまう部分を見落とさないよう、1日がすごい長かった時代に根を下ろし、のぞみとみぞれの時代を見過ごしてしまわないように気をつけました。

司会:最後に一言ずつお願いします。

本田:本当にステキな作品で、明日から頑張ろうという気持ちになれます。みんなと居られる時間は幸せなものだと改めて感じました。あと音楽にも凄く興味を持ちました。

東山:本日はお越しいただき本当にありがとうございました。
こんなに熱を持って話したいのに、適切な言葉が見つからなくて若干もどかしく感じられます。一言で言い表せないのですが、観終わった後に、この気持ちを分かって貰えたら。
(のぞみとみぞれの)二人はTVシリーズでもすれ違いがありましたが、「好き」のすれ違いが美しく描かれています。皆さんが観た後に、また映画について語れる機会があればいいですね。

種﨑:本日はありがとうございました。
アフレコ前に、監督から「全てのものが傍観者、壁も木も全て二人を見守っている」と説明がありましたが、観終わった後に本当にそう感じました。
最初は背もたれに寄りかかって観ていましたが、観終わる時には前のめりになって二人の少女を見つめていました。
皆さんの視線もこの作品の一部になるのでは。沢山の方にこの感覚を味わってもらいたいです。

山田:まずは今日、第一弾として皆さんにお届けできて安心しました。
色々な方が、心の動きとして経験あることを描いたんじゃないかと思いますので、怖がらないで観てもらえたら。
音楽や音にもこだわって、映画館で最高のパフォーマンスで観られるようにしていますので、ぜひお誘い合わせの上でお越しいただけたら嬉しいです。