映画「聲の形」の9月17日(土)から公開を記念して、新宿ピカデリーで「劇場版 響け!ユーフォニアム」上映 が行われ、終了後にはスタッフによる舞台挨拶が行われました。

映画『聲の形』公開記念京都アニメーション特集上映 開催決定!

日時:2016年9月7日20:45〜
会場:新宿ピカデリー シアター1
登壇者:石原立也監督、山田尚子(シリーズ演出)
司会:松竹 向井
※以下敬称略
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 今までどおり、ほぼ自分のメモ用にですが舞台挨拶の様子を纏めてみました。一部聴き逃しやメモ間違い微妙なニュアンスの違い等あるかもしれませんが雰囲気だけでも味わって貰えたら幸いです。

公式TwitterでもUPされていますが、山田尚子監督の当日の衣装はこんな感じでした。 

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山田:「響け!ユーフォニアム」ファンの皆様、はじめまして。シリーズ演出担当の山田です。よろしくお願い致します。

石原:監督の石原です、よろしくお願い致します。

山田:(司会に現在の時刻が22:30だと知らされて)こんばんは、ですよね。夜分遅くすみません。

司会:石原監督と山田さんの2人でイベント出演されるのは初めてですよね。

山田:京アニイベントで監督4人出演してってのはありますが、2人だけってのは初めてです。

司会:お二人はどういったきっかけでお仕事をはじめられたのでしょうか。

石原:最初は山田さんが原画で、僕が監督でして、その辺りからフェードインしていきました。
(山田さんの経歴が分かっちゃうので)作品名言っちゃっていいのかな?

山田:隠してないんでいいですよ。2004年入社で今年13年目です。
Air SUMMER編が原画デビューです。

石原:その後、CLANNADでは演出を担当して貰いました。

山田:私「けいおん!」で監督やってたんですよ!

司会:皆さん知ってます(笑)

山田:その時は石原さんにアドバイザーとして参加してもらって、満を持して「響け!ユーフォニアム」でタッグを組み……。

石原:「けいおん!」の時と似たような……、似てないか。

司会:お互いの第一印象はどうでしたでしょうか?

石原:芸大あがりの風変わりなサブカルっぽい女の子だなと。

山田:石原さんは凄い先輩で芸歴も長いのに、腰が低い方でした。
Air SUMMER編でめちゃくちゃ下手くそな原画にリテイクを出す際、私の横に正座して説明して頂いて、腰の低い方だなと。

石原:監督はスタッフにそっぽ向かれるとアウトなんで。

山田:私も石原さんと一緒に仕事してると正座が板についた。
(お互いステージ上で正座して様子を再現する)

司会:舞台挨拶でステージの上で正座する人は初めてですよ。

石原:こないだは(黄前久美子役の)黒沢ともよさんにも正座して演技指導をしました。
立った状態ですと、どうしても上から目線になっちゃうんで、お互いの目線を合わせようとすると座っちゃうんですよね。

司会:お互い今だから聴きたいこととかありますか?

山田:今は石原監督と席が隣なんですよ。二人とも荷物が多くてダンボールも多くて室長から注意されてる。こんな話でいいんですか?

石原:むしろ(自分達に)聴きたいことはないですか?

司会:「響け!ユーフォニアム」製作時に苦労したことやエピソードとかありますか?

石原:初めて話すと思いますが、山田さんが部員の名前を決めています。

山田:昔のGS(グループサウンズ)の名前から頂いています。例えば沢田樹里(ジュリーこと沢田研二)や釜屋つばめ(かまやつひろし)など。パーカッションはその辺り(ザ・スパイダース)です。

石原:部員の名前はぶっちゃけ何でも良かったからね。
ボクは部員ではなくクラスメイトの名前を某電鉄会社の駅名から拝借しています。
これも初めてバラしましたね。

司会:「響け!ユーフォニアム」製作時の思い出話、ロケでの出来事とかありますでしょうか。

石原:ロケも近所だからねえ、そんなに遠くには行ってないし。
僕は行けなかったけど、一昨年の吹奏楽コンクールの関西大会は山田さんが行った。

山田:関西大会からは3校全国へ行けるんですが、出場したプロデューサーの母校が、ダメ金で。男子が泣き崩れたりして。

私は信条として、仕事では泣かない、泣く時もトイレでこっそりとしているんですが、思わず泣いてしまって。

石原:僕はコンテ描きながら泣いたりする。

司会:「ライディーン」は山田さんのこだわりとか。

山田:劇場版の音は音響監督の鶴岡さんのこだわりです。
TVシリーズではペラっとしてた音が青春っぽいと思っていましたが、劇場版ではカッコイイサウンドになっています。5.1chに組み直しています。

石原:最初の調整したものと新たに調整したものとで音の広がりが違うよね。

山田:最初の「パーン」がカッコイイ。

司会:今日が劇場版のパッケージ発売です。
特典が盛り沢山で、コンクールの仕様に近い集合写真とか付いています。
サウンドもDTS Headphone:Xで、5.1chなどのサラウンド音声を通常のステレオヘッドホン、イヤホン上で再現できる技術を搭載しています。

山田:イヤホンで前からも後ろからも音が聴こえるなんて、そんな聖徳太子感(笑)
どうなってるの?

石原:耳が2つしかないのに、上からの音とか下からの音とか分かるでしょ。きっとそんなもんなんですよ。

司会:映画会社が言うのもなんですが、映画館に来なくても劇場の音が聴けますよ。

石原:いやいや、体に響く音は映画館特有ですよ。

司会:本日、放映開始日も告知されましたが「響け!ユーフォニアム」2期の見どころは?

石原:言える範囲で……。
個人的に力を入れたのは宇治の花火大会です。結構本物に似ています。
マニアックな話になりますが、ここ2、3年は宇治では花火大会をやっていなくて、記憶と昔の写真から再現しました。
宇治の花火大会の写真をナグラさんに見てもらってつくりましたが、アナウンスがリアルで音の響き方がそっくりになっていると思いました。

山田:スピーカーの再現率が高いんでしょうか。

石原:宇治は山に囲まれててアナウンスが反響するんで、それが本物ぽいのかなと。地元の人が観たらリアルに思ってくれるんじゃないかなと。

山田:見どころは相変わらず、女の子の集団摩擦が熱いです。なかなかフィーチャーしない心の機微を描きました。吹奏楽部の熱量が独特で、朝も昼も夜もある意味トランス状態で、その隙間を切り取った生っぽさがあります。
あとは肩身の狭そうな男子部員とか。

石原:原作の武田綾乃先生の目線が面白いよね。

山田:久しぶりに原作を読み込みました。

司会:今後、更に熱くなっていくのでしょうか?

石原:1期とは違い、久美子が熱い女の子になっています。

山田:2期での久美子は立体的な動きをします。

石原:1期の久美子は受動的でしたが、2期の久美子は能動的ですね。

司会:最後に一言お願いします。

山田:今日はお集まり頂きありがとうございます。
改めて劇場の大画面で観ると迫力が凄いです。

9/17から映画「聲の形」が公開になります。良かったら観て下さい。
「響け!ユーフォニアム2」も手を抜いていないですよ。

石原:夜遅くまでお付き合い頂きありがとうございます。
「響け!ユーフォニアム2」もつくってまして来月から始まりますのでよろしくお願いします。